介助の流れ

排泄介助

実際の排泄介助がどのように進んでいくのかは施設によって違いますが、大体は定時でのオムツ交換とトイレ誘導になります。

オムツ交換は、巨大なカートにオムツと排泄物用のゴミ箱を載せて、フロアをガラガラ押して回ります。利用者の居室の前にカートを止め、居室に入ってオムツ交換。終わったらゴミをカートのゴミ箱に入れ、次の居室へ…と繰り返していきます。20〜30人の利用者を、2人の職員で30分から1時間程でしょうか。

トイレ誘導は、利用者をトイレに連れていき、排泄してもらいます。実際はうまいことトイレで排泄できる利用者は少なく、トイレでオムツなり紙パンツなりを交換することが多いです。 抱えて立たせてズボンをおろす作業もあり、ベッドでのオムツ交換よりキツかったりすることが多いです。 さらに、安定して立っていられない利用者を支えながらオムツを付け外ししなければならないこともあり、転倒などの危険もあります。もちろん危険を感じたら無理せず、他の職員を呼ぶなりするべきですが。

全員終わったら、チェック表に記録をつけます。全利用者、毎回どれくらいの排泄があったのかを記録しています。排尿が長時間ない利用者や、便秘がちな利用者への対応などに使います。
オムツ交換やトイレ誘導の回数は、多い施設で1日8回くらい、少ない施設だと1日4回くらいです。回数に関しては何かと議論されています。

排泄に限りませんが、もうだいぶ前から個別ケアというのが望まれています。排泄介助でしたら時間で一斉にやるのではなく、個人のパターンを見極めて適切な時間に行い、また、排泄を取りまく様々な環境の見直しも含む利用者一人一人に合わせたケアです。が、人手的にも意識的にも改革が必要で、なかなか難しいです。私はきっちりできている施設で働いたことはないです。
カートをガラガラ押して回るのも、いかにも今オムツ交換してます、という感じであまりよくはないですね。

食事介助

食事は施設の厨房で作られます。それを利用者の元へ配膳します。
利用者を食堂へ誘導する場合と、利用者のいるところへ食事を運ぶ場合があります。利用者によっても対応が違ったりします。

自分で問題なく食べられる利用者にはもちろんそのまま自分で食べてもらいますが、基本的に食事中の安全(誤嚥や窒息などがないか)は見守らなければなりません。
自分で全く食べられない利用者には、横に座って食事を口に運んで介助します。1人の利用者に対して1人の職員で介助するのが望ましいですが、実際は利用者2人の間に座って、交互に介助することが多い気がします。4人同時に介助ってとこもありましたが…。
介助する職員の近くには、声を掛けないと食事が進まない利用者や、逆に一気に食べてしまって危険な利用者、また、目の前の物しか食べないのでお皿を入れ替えないとならない利用者などがいるので、それぞれ適切に対応しつつ、介助していきます。

大概、介助が必要な利用者より介助に入れる職員の数は少ないので、全員同時に食べてもらうことはできません。介助が必要な利用者の食事は自然に順番になります。

食べ終わった利用者が出てくれば下膳し、食事と水分の摂取量をチェック表に記録します。利用者の状態を知るために活用されます。

最後に食堂の掃除などを介護職員がする施設もあれば、掃除等を行う部署があるところ、外部に委託しているところもあります。

入浴介助

入浴介助は、食事介助とならんでバタバタしやすい介助です。本来どちらもゆったりしたいところですが。

利用者の入浴は週に2回です。3回以上やっている施設は見たことないです。
曜日で男女別に分けて入浴してもらうところが多いです。(月・木曜日は男性の日、火・金曜日は女性の日など)

機械浴という、特殊な浴槽のある浴室を使います。
脱衣所に数人集め、服を脱がせて機械浴専用の椅子やベッドに移乗し、浴場に入って洗身洗髪します。
その後、機械を操作して椅子やベッドごとお湯に浸かってもらいます。
入浴時間は一人5分くらいです。
じっとしている利用者だけではないので、目を離すと溺れたり機械で怪我をしたりと、とても危険です。

時間が来たら浴槽から出し、車椅子に移して服を着せ、ドライヤーがけなどの整容をします。
ついでに足の爪を切ったりなどもします。 終わった利用者を部屋などへ連れていき、次の利用者を連れて来る、の繰り返しです。
入浴後の水分補給もほぼセットです。自分で飲める利用者には渡して飲んでもらい、できない利用者には介助します。

入浴も記録をつけます。入ったかどうかの確認の他、監査などでも必要になります。