仕事の内容

一日の流れ

施設での一日の流れを簡単に説明します。施設での一日の流れというのは、利用者の一日の生活の流れであり、利用者の生活を支えるのが仕事である介護職の一日の流れになります。
ずらっと朝から晩までをおおまかに書くと…

[午前] 起床 ⇒ 朝食 ⇒ 排泄 ⇒ 入浴 ⇒ 水分 ⇒ 排泄 ⇒ 余暇

[午後] 昼食 ⇒ 排泄 ⇒ 入浴 ⇒ 水分 ⇒ 排泄 ⇒ 余暇 ⇒ 夕食 ⇒ 排泄

[夜間] 就寝 ⇒ 排泄 ⇒ 排泄 ⇒ 排泄

こんな感じですが、起床後や入浴後には髪を整えるなどの身だしなみや、食後には歯磨きなどがあったり、水分摂取量が少ない利用者に水分を勧めたり、合間に体位変換(床ずれ予防に、利用者の体の向きを変えたりすることです)や見回りをしたり、利用者の記録をつけたり、細かいことが色々入ってきます。
排泄介助は、時間で全利用者のおむつ交換を一斉にやってしまうところもあれば、利用者ごとに時間を見計らって、個別に対応するところもあります。
入浴は、午前の日、午後の日だったり、曜日ごとに違ったりします。
ここに書いてあることを、全て自分でできる利用者もいれば、全てに職員の助けがいる利用者もいます。利用者に応じてこれらを手伝ったり、準備をして環境を整えるなどし、利用者の生活の手伝いをするのが、介護職の一日の主な仕事になります。

どんなことをするのか

食事
施設では食事は厨房で働く人たちが作ってくれますので、調理を行うことはまずありません。配膳下膳と、自分で食べることが難しい人への食事の手伝いがメインです。
手伝いには、職員がスプーンなどを使って利用者の口へ運ぶものから、食事に集中できない利用者へ声をかける、利用者に危険がないかを見守るなど、色々な種類があります。
食事に限らないことですが「この人にはこの介助」というよりは、利用者の状態を見て、複合的に食事の手伝いをしていくことになります。
排泄
未経験の人にとって、一番の難関、不安、悩みの種ではないでしょうか。
オムツ交換と、トイレ誘導がメインとなります。オムツ交換は、ベッド上でオムツを交換することです。子供のオムツ交換をやったことがある人は多いでしょうが、もちろん全く勝手が違います。
トイレ誘導は、利用者に声を掛けたり、トイレまで車いすを押して連れていき、トイレで排泄の手伝いを行います。
詳しくは、[不安な要素]のところに書きます。
入浴
施設では普通の浴槽では安全に入浴できない利用者が多いです。利用者に専用の椅子やベッドに移ってもらい、それごと入浴してもらう機械浴というのがメインになります。
入浴に伴う更衣から、洗身洗髪、機械の操作、入浴中の利用者の安全の見守りなどをします。やはりすべてに手伝いの必要な利用者から、すべてを自分でできる利用者までいますので、手伝う内容も様々です。
見守り
利用者の安全を見守ります。
特養や老健では、日中利用者が集まっている場所があります。 大抵の利用者はテレビを見ていたり、テーブルに付いて座ってお茶を飲んだりしています。
そういった場所では、利用者の安全を見守り、また利用者の要求を聞くために職員を配置します。
水分補給の介助や、記録などの作業(個人情報保護的にはあれですが)、または利用者との会話や歌、体操などのレクをしつつ見守りを兼ねることが多いです。
座ってできることが多いので楽といえば楽ですが、作業をしながら十数人の利用者のことを見守るのは結構大変です。認知症の利用者がいなくなっていることにしばらく気付かない、なんてこともあります。動きの多い利用者の人数によっては、ものすごく気を使う仕事です。
介護の仕事で利用者の安全は最優先されることの一つです。ですので、このようないわゆる「見守り」の仕事をしている時だけではなく、大体何をしている時でも勤務中は常に見守りを意識することにはなります。
余暇活動・行事・レクリエーション
余暇活動には、様々なものがあります。カラオケ、映画鑑賞、体操、折り紙、塗り絵、散歩、読書などがあります。季節の催し物や飾り付け、慰問などもあります。カラオケや映画鑑賞などは、職員が企画進行していきます。カラオケで盛り上げたりするのも仕事のうち…ですね。
また、節目の行事などでは、職員有志で出し物をするのが、どの施設でも定番になってたりします。ネタを考えるのも一苦労ですし、人前での歌やダンスに抵抗がある職員には、嫌なイベントとなっています。そして、新人職員に白羽の矢があたることが多いです。
通院の付き添い
特別養護老人ホームでは、通院対応が結構あります。日に複数件あることも珍しくありません。
付添の他、運転することもあります。家族に丸投げするところもあります。そこら辺はいろいろです。職員が付き添う場合は、ただでさえ少ない職員がフロアから抜けることになり、てんやわんやです。
移乗
移乗というのは、車いすからベッドや、トイレから車いすへ移ったりすること全般のことで、その手伝いをします。英単語のトランスファーからトランスと略して呼んだりします。
ベッドなどに座っている利用者を正面から抱えて立たせて、横付けしておいた車いすに座らせたり、その逆をします。横になっている利用者を横から抱きかかえたりなどもあります。間違ったやり方をすると、腰を痛める大きな要因となります。
口腔ケア
歯磨きの手伝いをします。入れ歯を使用している利用者の入れ歯の掃除もあります。
整容
髪を整えたり爪を切ったり、利用者の身なりを整える手伝いをします。
更衣
入浴時の脱着、パジャマへの着替え、失禁してしまった利用者の着替えなどを手伝います。
シーツ交換や掃除
業者に頼む施設も増えてきています。
記録
利用者の日々の記録をつけます。ほとんどパソコンです。定型文化しているところ、特別に何かあったことだけ記録するところ、施設によって多少違いますが、内容はそんなに凝ったものではないです。ですが、パソコンに触ったことがないという人は、最初は苦戦してます。
カンファレンス
利用者への対応方法を話し合います。定期的に行われるもの、緊急で行われるものがあります。介護士、看護師、栄養士、リハビリに関わる職、医師など、利用者に関わる様々な職種の人が参加して話し合います。利用者本人は、いたりいなかったり。人によります。
会議
いわゆる職員会議です。仕事上の問題点や反省点、改善案などを話し合います。定期的に会議のあるところが多いです。
研修
大体定期的にあります。ふた月に1回から多いところで月2回くらい。施設の義務として開催しなければならないテーマもあるため、ほぼ強制参加としているところもあります。また、施設で開催する内部研修の他に、外部で開催している研修会への参加もあります。
家族の対応
面会に来る家族への対応です。ごく一般的な対応ができれば問題ありません。利用者の状態などを聞かれた時に、すぐ答えられないと恥ずかしい思いをします。